第58回  筋けいれん (Muscle cramps = muscle spasm) PDF 印刷 E-mail
投稿者 Ildong Kim   
2008年 January 13日 Sunday
症状: 筋肉のけいれん、筋肉痛  

 32才のPさんは、普段あまり運動をしていないのですが、昨日は家族と一緒に近くの山を数時間歩きました。その夜寝ている時に、突然ふくはらぎがこむら返りをし、その激しい痛みで血の気が失せる程でした。

 筋けいれんは非常に一般的な症状で、数秒から数十分間続き、体のどの部分の筋肉でも起こります。筋肉の一部のこともあれば、筋肉全体、あるいはいくつかの筋肉群で同時に起こることもあります。上肢・下肢などの随意筋に起こりますが、特に頻度の高い部位はふくらはぎ(こぶら返り、こむら返り)です。

 一般的な原因は、筋肉の疲労、激しい運動(運動中や運動後)、脱水、妊娠、甲状腺機能低下、副甲状腺の機能低下、体内のマグネシウム、カルシウム、ビタミン(B1B5,  B6D)の低下、アルコール中毒、腎不全、薬の副作用、筋骨格に対する外傷などです。

  筋肉の疲労は、長時間不自然な姿勢で座ったり立ったり、慣れない運動をしたり、反復運動をした後に起こります。夜間休息中に起こる筋けいれんは、高齢者に多く、原因は不明です。多量の発汗、嘔吐、下痢も原因になります。薬の副作用では、利尿薬、抗高血圧薬、喘息の薬、高脂血症の薬で筋けいれんの起こることが知られています。

 症状は、筋肉のけいれん以外に筋肉の硬直、圧痛、むくみなど。検査は頻度が低ければ必ずしも必要ありませんが、妊娠検査、血液検査でカルシウム、カリウム、マグネシウムの血中濃度、甲状腺機能、腎機能などをチェックします。場合によっては筋電図が必要になります。

 治療は、筋けいれんしている筋肉を伸ばすということです。例えば、寝ている時にこむら返りが起こった場合は、寝た姿勢で足の指を頭の方向に向ける、ベッドから立ち上がり歩き回る、あるいは壁に両手をあて、壁を押すように体を傾けて、筋けいれんの起こっているふくらはぎを伸ばします。あるタイプの筋けいれんには、皮膚のしわ取りで有名になったボトックスの注射が有効です。

 予防としては、運動前後の準備運動、整理運動を十分行い筋肉を伸ばす。運動中や運動後に水分と電解質を補給する。暑い環境での運動、長時間の不自然な姿勢を避ける。普段から、柔軟体操をする。寝る前にふくらはぎなどの筋肉を伸ばす運動をする。カルシウムとマグネシウムを十分取る(取り過ぎない)。ビタミンE、ビタミンDなどを取る。――等々です。難治性の筋けいれんには、キニンという薬をを11回(325mg)取る方法があります。

サンディエゴの日系紙「Lighthouse San Diego」に2007年10月16日号に掲載
 
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