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第60回 過換気症候群 (Hyperventilation syndrome) |
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投稿者 Ildong Kim
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2008年 January 13日 Sunday |
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症状:手足のけいれんとしびれ、めまい、呼吸苦 35才の女性Kさんは、夫とけんかした後に呼吸苦が始まり、手足のけいれんとしびれも起こるようになって救急室を受診しました。過換気症候群と診断されたKさんは、抗不安薬の処方と共に、心理療法を受けるように勧められました。
過換気症候群は、不安、パニック、ストレス、怒りなどが引き金になって、息が速く深くなることによって起こる病気です。肺の中では、空気中の酸素と体内で発生した二酸化炭素の交換が行なわれていますが、過換気によって二酸化炭素が通常以上に体外に出ます。その結果、血液がよりアルカリ性に傾き、血中の電解質の量が一時的に低くなります。特にカルシウムは低くなり、低カルシウム血症の状態となって、手足のしびれや筋けいれん、口周りのしびれなどが起こります。また、カリウム、リンなどの電解質も低くなり、疲れ、めまい、ふらふら感なども出てきます。 過換気症候群は急性と慢性に区別されますが、特に慢性の場合、本人に「過換気」の自覚があるわけではなく、前述の症状や、目まい、呼吸苦、げっぷ、口の乾燥、虚弱感、精神的混乱、睡眠障害、胸痛、動悸などの症状として自覚されます。従がって本人はもとより、医師にも過換気との関連がわからない時があります。また、慢性の場合は心臓、肺、神経系の病気との鑑別も簡単ではありません。 過換気状態を起こす病気としては、心筋梗塞、気胸、肺塞栓症など診断・治療が遅れると致命的になる病気もあり、迅速な鑑別診断が求められます。他に、喘息、慢性閉塞性肺疾患、肺炎、心不全、出血、妊娠、ケトアシドーシス、薬の副作用なども過換気の原因になります。 診断は、問診と診察で十分な場合も多いのですが、典型的でない場合は、心電図、胸部レントゲン、血液検査、動脈血検査、胸部CT, 肺のシンチグラフィーなどの検査が必要になる時があります。 自宅でできる対処としては、まず気分を落ち着かせます。呼吸は、ローソクを消す時のように口をすぼめてゆっくり行います。そして、胸ではなくてお腹で呼吸をするようにします。紙バックの中に顔を入れて呼吸するやり方は、現在では勧められていません。 薬物療法としては抗不安薬の服用がありますが、慢性の場合は、精神科や心理療法の受診を考慮します。
サンディエゴの日系紙「Lighthouse San Diego」に2007年11月16日号に掲載
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