第23回 子宮筋腫(Uterine Fibroids)
症状:月経過多、生理痛、頻尿

45才のOさんは2年前から生理時の出血が増加し、生理周期も不規則になってきましたが、頻尿が出てきたので、まず泌尿器科を受診しました。頻尿の原因が泌尿器科的な疾患ではないため、Oさんは婦人科に紹介され、診察と超音波検査で、子宮筋腫と診断されました。筋腫もかなり大きく、貧血もひどく、すでに子供も3人いたので、Oさんは婦人科医と相談の上、子宮摘出の手術を受けることにしました。

子宮筋腫は英語ではleiomyoma, fibromyoma, myoma, fiboridsなどと表されていますが、uterine あるいは of the uterusという「子宮の」という修飾語を前後に付けて、 例えばuterine fibroidsのようにも表記されています。ただ普通はfibroidsとだけ言うことも多いようですが。 30才過ぎの女性では3-4割近くの女性が子宮筋腫を持っていると言われています。子宮筋腫は、子宮を構成する筋肉あるいは結合組織の良性の腫瘍で、子宮の内部及び表面に発生します。子宮筋腫の原因はわかっていませんが、妊娠やエストロゲンという女性ホルモンで大きくなることがわかっています。普通に生理がある女性は非常にゆっくりと大きくなっていきますが、20才以下、閉経後では子宮筋腫が問題になることはあまりありません。

子宮筋腫は無症状のことが多いので、実際に子宮筋腫があっても知らない人が大半です。症状としては、月経過多、生理痛、下腹部膨満感、頻尿、などですが、これらの症状は子宮筋腫に特有の症状でもないので、内診や超音波検査などが必要になります。内診と超音波検査で診断のつかない時は、腹腔鏡検査などの検査が必要になることがあります。

治療は、症状の強さ、患者さんの年齢、妊娠の有無、将来の妊娠の希望、一般的健康状態、子宮筋腫の状態などを考慮して決められますが、通常、痛みに関してはイブプロフェンなどの抗炎症鎮痛薬、貧血に対しては鉄剤による補充を行い、子宮筋腫の経過を内診、超音波で時々、モニターするだけの方法が取られます。ホルモン注射を月1回行って子宮筋腫を小さくする方法もありますが、普通は手術しやすくするように、手術前3-4ヶ月の間に限って使用されるようです。経膣的手術や普通に下腹部を切開して行う手術は、筋腫だけ摘出する方法と子宮全体を摘出する方法があります。今後は、子宮筋腫に栄養する動脈をカテーテルを使用して塞いでしまう「動脈塞栓術」などの方法が普及していくかもしれません。

サンディエゴの日系紙「Lighthouse San Diego」に2004年9月16日号に掲載。