第71回 疝痛 (Colic = baby colic)

症状:生後3ヶ月までの赤ちゃんの 激しい泣き

 

 生後2ヶ月のPちゃんは、抱っこしても授乳しても激しく泣くので、お母さんは疲れ気味です。生まれて23週間して激しく泣き始め、特に夕方以降夜中まで激しく泣きます。小児科医に、疝痛と言われ、生後3ヶ月を過ぎると良くなると聞いてお母さんは一安心しました。

疝痛は一般的には「3ヶ月コリック」と呼ばれていますが、夕方以降に始まることが多いので、「夕暮れ泣き」や「たそがれ泣き」とも呼ばれます。英語では、colic baby colic three month colic infant colic infantile colicと呼ばれています。

 赤ちゃんが激しく泣いている時は、手を握りしめたり、顔が赤くほてったり、お腹が膨れたりします。疝痛は、1日に3時間以上、週に3日以上、月に3週間以上続く場合と定義されることもありますが、必ずしもそうではありません。夕方以降に多いですが、泣く時間帯はいつでもかまいません。通常は生後23週間後から始まり、3ヶ月を過ぎるとなくなりますが、3ヶ月を過ぎても続く赤ちゃんも少数ですがいます。

 疝痛の原因は分かってはいませんが、胃痛、腸内細菌相の変化、胃食道逆流症などが原因と考えている人もいます。ただ、赤ちゃんの機嫌が悪いだけだったり、環境に敏感だけなのかもしれません。親の育て方が原因ではありません。疝痛は、原則として、健康な赤ちゃんに起こります。

  疝痛への対策には―――赤ちゃんの体を起こした状態で授乳する。げっぷをよくさせる。母乳で育てている人は、自分の食事を変えてみる-例えば、辛いもの、みかん類やカフェインを制限する。ロッキングチェアーやゆりかごを使ってみる。赤ちゃん用ブランコに乗せる。温かいお風呂に入れる。おしゃぶりを与える。お腹を優しくさすってあげる。毛布をかぶせる。乳母車に乗せて、散歩する。ドライブする―――などがあります。

 抱っこをしすぎても甘やかすことにはなりません。1回当たりの授乳量を少な目にして、授乳の回数を増やすのもいいかもしれません。調整乳を使用している時は、メーカーを変えてみます。哺乳瓶を使っている場合は、少し穴の小さ目のものを使い、時間をかけて授乳します。乳酸菌を与えることを推奨する人もいます。

 赤ちゃんの疝痛が続くと親はストレスが溜まります。時々他の人に世話をしてもらって自分自身の時間を持つことがストレスにはいい方法です。 

 

  記事中の患者さんは架空の患者さんです。

サンディエゴの日系紙「Lighthouse San Diego」に2008年9月16日号に掲載