| 第55回 急性前立腺炎 (Acute Prostatitis |
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症状: 陰茎の付け根辺りの痛みや不快感、排尿痛、射精痛
45才のEさんは、最近陰茎の付け根あたりの不快感と排尿時の熱感があり、更に精子に血が混ざるようになったので、家庭医を受診しました。尿検査と、直腸診を行なった医師は、前立腺炎と診断し、抗生物質を4週間処方しました。
急性前立腺は、男性だけにある前立腺の炎症のことですが、通常、細菌による感染で急速に発症します。原因になる細菌は、大腸菌、クレブシェラ、プロテウス、ぶどう球菌などの尿路感染症を起こすものだけでなく、クラミジア、トリコモナスなど性感染症を起こす細菌も原因になります。若い男性は、性感染症を起こす菌が原因になることが多く、35才以上の男性は、大腸菌が最も多い原因菌で、尿路感染症、尿道炎、精巣上体炎の後に起こることがあります。
急性前立腺炎は、膀胱鏡検査、膀胱カテーテルの挿入、外傷、前立腺肥大、前立腺以外の体内の感染によって起こることもあります。若い男性で、複数の性交渉の相手がいる人、コンドームを使用しないで肛門セックスをする人はリスクが高くなります。
症状としては、発熱、悪寒、下腹部の不快感、陰茎の付け根辺りの痛みや不快感、排尿時の痛みや熱感、排尿困難、腰痛、残尿感、射精痛、排便時の痛み、血尿、頻尿、精液への血液の混入、睾丸痛などです。 診察では、直腸診で、前立腺の触診をします。前立腺は柔らかく腫れて圧痛があります。そけい部のリンパ節の腫れ、陰嚢の腫れや圧痛がある場合もあります。 検査は、尿一般検査、尿の培養、PSA(前立腺特異抗原)、場合によっては、精子の検査もします。尿検査は3回に分けて取ることがあります。 治療は、抗生物質を服用しますが、よく使われる抗生物質はバクトリン(ST合剤) 、オフロキサシンやシプロキサシンのようなニューキノロン系、あるいはドキシサイクリンなどです。治療期間は最低でも4週間。ただし急性前立腺炎は再発しやすいので、6-8週間服用する場合もあります。性感染症による場合は、セフトリアキソンの注射をして、ドキシサイクリンやオフロキサシンを10日服用します。抗生物質の服用以外に、温かいお風呂に入浴すると症状が和らぎます。また、アルコール、カフェインの入った飲み物、オレンジジュース、辛い食べ物などは膀胱を刺激するので避け、水分を十分取ってください。 サンディエゴの日系紙「Lighthouse San Diego」に2007年7月16日号に掲載。
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