| 第51回 幽門狭窄症 (Pyloric stenosis) |
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症状:噴水状の嘔吐、脱水 Sちゃんは生後3週間の男の子ですが、お母さんが授乳する度に噴水のように吐くようになりました。吐いた後も、お腹がすいているらしく、無償におっぱいを欲しがります。数日して元気がなくなってきたので、Sちゃんは救急室に連れて行かれ、検査の結果、幽門狭窄症という診断で、丸2日点滴を受けた後手術を受けることになりました。
幽門狭窄症は、肥厚性幽門狭窄症 (Hypertrophic pyloric stenosis) とも呼ばれ、胃の出口にある幽門筋が肥厚する、赤ちゃんの病気ですが、原因は不明です。生後2-4週間の間に症状が出始め、生後3ヶ月以内までに大半の赤ちゃんが診断されます。アメリカでの頻度は、1000人の赤ちゃんに付き1-4人の割合で、男女比は4:1で男の子に多い病気です。大人にも幽門狭窄症はありますが、これは消化性潰瘍の瘢痕が原因で起こるもので、別の病気です。 症状は、授乳毎の嘔吐で、当初軽度の嘔吐から始まり、日が経つにつれて、噴水状に吐き出すようになります。吐いた内容物はミルクがほとんどで、胆汁はほとんど含まれませんが、時々血が混ざることがあります。吐いた後も赤ちゃんは、空腹のためミルクを欲しがります。時間の経過と共に、便秘、緑色の軟便、脱水、体重が増えないか減少、いらだちなどの症状が起こります。最終的にはぐったりした状態になります。上腹部が授乳後に膨くらんだり、授乳後、吐く直前に上腹部に波打つ動きが見えることもあります。診察では、右上腹部にオリーブ大の腫瘤が触れます。 血液検査では、胃酸を構成する塩素分が嘔吐で体外に排出されることによる、血液のアルカリ性傾向や、電解質の異常、血液の濃縮などが分かります。確定診断は、超音波検査によって、幽門筋が4mm以上肥厚しているかどうかを見るか、バリウム検査によって行なわれます。
治療は、幽門筋切開法という手術を行なうのが一般的ですが、通常の腹部切開法以外に腹腔鏡(ラパロスコピー)を利用する方法もあります。手術の前に、1-2日かけて脱水と電解質の補正をしておきます。全身麻酔や手術のリスクが高い赤ちゃんには、バルーンによって狭くなった場所を広げる方法や、硫酸アトロピンを与える方法もありますが、効果は幽門筋切開法程高くはありません。 サンディエゴの日系紙「Lighthouse San Diego」に2007年3月16日号に掲載。
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