第78回 母乳と離乳食 (Breast milk & complimentary foods) その2

その2: 離乳食(Complimentary foods

  

 母乳に関しては前回説明しましたので、今回は、離乳食(Complementary foods)と離乳(Complimentary feeding 又は weaning)について説明をします。 前回述べたように、WHO(世界保健機構)は、母乳栄養の重要性を説き、乳児が生後6ヶ月になるまで、母乳だけの栄養を推奨しています。母乳が出ないとか、医学的な理由がない限り、アメリカ小児学会も日本の厚労省も基本的には賛成しています。

 

離乳食開始の時期  

 母乳栄養の期間は、最近WHOなどの機関によって生後6ヶ月までと推奨されているので、離乳食の開始は、生後6ヶ月以降ということになります。ただし、乳児によっては、生後4-6ヶ月の間でも離乳食を開始できることがあるので、アメリカ小児科学会では、一応生後6ヶ月までの母乳のみの栄養を推奨していますが、生後4-6ヶ月の間でも離乳食は開始してもかまわない、というスタンスをとっています。もちろん、母乳の授乳量が少ない場合や、医学的な理由がある場合は生後6ヶ月まで待つ必要はありません。

  

 

離乳食  

 離乳食というと、アメリカでは、乳児用シリアル(ライスシリアル)を始めることが多いのですが、日本では野菜類やおかゆが多いようです。  フルーツジュースは、生後6日月以降の乳児では、1日当り120-180cc以内にしておきます。あまり多く取ると下痢が起こるからです。暑い日や、お風呂上りに日本では、白湯やお茶を乳幼児に上げることがありますが、これは、必要ありません。また、人工調製乳でない普通の牛乳は、生後1年を過ぎて与えます。 離乳食を始めたからといって、母乳を止める必要はありません。離乳食は、母乳の代わりに与えるものではなくて、母乳で足りなくなる栄養素を補完するための栄養だと考えた方がいいでしょう。一応2才までは母乳の継続が推奨されていますが、2才を超えて母乳を与えてもかまいません。 離乳食開始後しばらくして、鉄分の不足による貧血が起きてないか、貧血検査が必要になってきます。生後9-12ヶ月に貧血検査を行います。  

 

 

離乳食の与え方  

 離乳中に新しく与える食品は、1回に1品目とします。通常1週間その食品を与えてアレルギー反応(下痢や皮疹)が起こらないかどうかをチェックするわけですが、私は、日本人の乳幼児に対しては、3-5日間程度でもいいのではないかと思っています。それは、日本人の親が乳幼児に与える食品の種類が多い傾向にあるからです。アレルギー反応を起こさなかった食品は、それぞれ組み合わせてあげることができます。 1才未満の乳幼児では、固形食品は、すりつぶしたり、マッシュしたりして、誤って飲み込んで気管支に入らないようにします。4才以下の乳幼児には、ホットドック、ナッツ類、ブドウ、レーズン、ポップコーン、キャンディーなどの食べ物は避けてください。離乳食は、砂糖や食塩を加えないで準備してください。離乳食は体温くらいの温度にし、熱くするのは避けます。電子レンジを利用する時は、調理の後によくかき混ぜ、熱い部分でやけどするのを避けます。  

 

離乳食の回数と必要カロリー量  

 生後6-8ヶ月の乳幼児では、離乳食の回数は1日で2-3回、生後9ヶ月以降は、3-4回です。欲しがれば、栄養豊富なおやつを11-2回あげてもかまいません。8ヶ月以降の乳幼児は、一人で赤ちゃん用のお菓子を食べることができるようになります。大人と同じ食事ができるようになるのは、生後12ヶ月過ぎてからです。 母乳栄養を継続している乳幼児で、離乳食から必要な1日の平均カロリー量は、生後6-8ヶ月の乳幼児では130キロカロリー、9-11ヶ月では310キロカロリー、12-24ヶ月の乳幼児では580キロカロリーとなっています。 ビタミンAの含まれたくだものや野菜、それに、肉、鶏肉、魚を食べることができるようであれば与えます。鉄分の添加された小麦粉や、ビタミンAの含まれた砂糖などを使用。肉類が食べられなかったり、与えている食品にビタミンや鉄分が添加されていない場合は、ビタミン・ミネラルのサプリメントを与えます。栄養価の低い、水、お茶、ソーダー類は避けます。  

 

離乳食を与える上でのアドバイス 

もし赤ちゃんのいやがる食品の数が多いようであれば、食品の組み合わせを変えたり、調理の仕方  

 や、味や形、固さなどを変えてみます。

離乳食を与える時は、赤ちゃんの目を見て、しゃべりかけながら、ゆっくり根気良く、励ましながら       

 えます。

離乳食を与える時は、学習と愛情の時間でもあるのです。

気を紛らわせるものは極力 取り除き、安心して食べれる環境をつくります。

離乳食は強制してはいけません。   

病気の時は、母乳の授乳量を増やすことによって水分量を増やし、好みの食べ物を与えます。病気の 

 直後も、母乳も離乳食も普段より多めに与えます。

離乳食を与える時は、親も赤ちゃんも手をきれいにします。

食べ物は調理後すぐに与えます。

きれいなコップやお茶碗、スプーンなどを利用し、哺乳瓶で離乳食を与えてはいけません。

 

 

 

 

サンディエゴの地元日系紙「ゆうゆう」の2007年1月1日号に掲載